空座高校1-3組。教室では、HRが終わって生徒達が高々声をあげている。 「帰りにマックいこ〜〜」「いーね!!」 「ルキアちゃーん!!」 クラスメイトの一人が声をかけてきた。 「何だ?」 「今日帰りにみんなで遊びにいくんだけど、いかな〜い??前より家近くなったんでしょ??」 「すまぬ、えっと今日は帰らねば……」 「そーなんだぁ、んじゃあ今度遊びに行ってい〜??」「それも、すまぬ!!引っ越したと言っても私は居候の身なので。」 「そーなんだぁ!!大変だねぇ」 話しかけてきた少女は、少し茶色い髪を手でもてあそびながら答えた。 んじゃあ、また遊ぼうね!!彼女はニッコリ微笑むと、手をふり走っていった。 私も同じように相づち、手をふる。 ━━━さて今日は何を作ろうか。あの口うるさい主人の為に。 ルキアはふった手を少し下げて、目を細めた。そして出会った日を思い出す。 ────―――じわ、と蝉が鳴いた。そういえば今は7月だと思い出す。 「で?お前が朽木ルキアってーの??」 紙切れを拾い上げた彼が、中腰のまま上目遣いで聞く。 「そうだが……もしや貴様が黒崎いちごだとは……もっとかわいらしい人物かと………」 「あんなぁ!!俺の名前は“一護”!!“一”に“護”!!そっちの莓じゃねぇ。俺だって朽木ルキアなんて、ハーフかと思ったぜ。」 「…………悪かったな、純日本人だ。」 「で?」 「……よろしくお願いします。」 「愛想ねーなー!!ま、いーや。ついてこいよ。」 初めてあったハズなのに、彼には私の中の“人の中身を探る”という感情が働かなかった。最初は、この人は、もしかしたら、敵かもしれない。と疑う。その感じが全くなく、彼の言葉の中に私はすとんと収まる事ができた。それがとても不思議でならなかった。この街も、あの高校も、教室も。すべて私を心地よく迎えてくれた。 本当に不思議だったのに、私は疑う余地なんてなかった。この街に歓迎されて不思議がるなんて、たいそうな事だ。 「ここが、今日からお前の部屋な。俺の妹が使ってたから、ベッドも机もある。」 私が世話になる黒崎家には、すでに宅配便で私の荷物が運びこまれていた。 「うわぁ!!可愛い部屋!!」タンスの上に飾られたカラフルなぬいぐるみ達。私はそれに目を奪われた。 「あ〜〜〜〜遊子のだな。気に入ったんなら、飾っとけ。この部屋、まだ荷物はあるけど好きにしていいってさ。」 「本当か!?」 「あぁ、二人とも嫁にいっちまったからな。」 「うわぁ……」 「ってかお前、段ボール5個しかねーの!?少な!!」 「私は孤児院育ちだからな。それは多いほうだ。」 「…………そっか。」 「しかし、いちごの親父殿に目をかけてもらって本当に良かった。こんな良いところに住めるとは。」 「アイツなんかしらねーけど、孤児院長だかんなー。いきなり始めるし。わけわかんね。」 「まぁ、それで助かってるんだ。」 「ふぅん。」一護は親父が電話ごしに言っていた事を思い出す。 ────朽木ルキアちゃんって子がいるんだけど、その子をお前んトコに住ませるよ。 『は?なんで?』 ─────彼女、頭もいいし、空座高校受験したいらしいんだ。そんで丁度カリンが結婚すんだろ?部屋空くから。夏あたりから。な?お前と16歳もはなれてんだ、いーだろ?? 『いーけど……なんでその子だけ?他にもいっぱいいんだろ??』 ふと疑問に思った事を口にだすと、父はこれでもかとテンションの高い声をあげて、悪い、子供がぐずったから。と電話を切った。父は、いきなり一護が高校生の時に、孤児のボランティアを始めた。一護が黒崎医院を継いでからは、もう若くないから、と、遠い田舎で営んでいる孤児院で暮らしている。 一護が驚いたのは、ルキアを住まわせる事ではなく。溺愛していた二人の妹の結婚を案外あっさり承諾した事だった。 子離れしたな。と、一人微笑む。嬉しいような、悲しいような。 「いちご!!ぼ〜〜っとするな。」ルキアは、一護の背中にどなる。一護は、はっと我にかえり、説明を続ける。 「あ、あぁ、こっち台所な」 「食材がないではないか。」 「あ〜〜俺あんまり作らねぇから」 「ダメだぞ!!医者なのに!!…………ふむ。」 「なんだよ。」 「よし。私がこれから作ってやろう。親父殿への少しでもの恩返しだ。」 「…………オマエが?」 「む!!なんだその目は!!大丈夫だ!!」 「はぁ。」 「大丈夫だといっとろーに!!」 その後ケンカになったが、夕飯を作ってあげたら一護は黙りこんだ。よほど旨かったのだろう。ご丁寧に眉間のシワまで深くなっていた。その事を思い出すと、今でもおかしい。ルキアはスーパーのカゴを、よいしょ、と持ち直した。 「卵は168円か……」 まぁまぁだな。今日は、普通にカレーにしよう。と思い、ジャガイモやニンジンを物色する。学校帰りにスーパーに寄るのがつい日課になっていた。会計を済ませ、パンパンになったビニール袋を握り締める。 アスファルトをじゃりじゃり歩き、やっと黒崎家に帰りつく。玄関を開けると、家の中はシンと静まりかえっていた。いつもいるはずの一護の姿を探す。 「一護〜〜〜アレ?」 リビングの机の上には、井上が倒れたので、石田総合病院に行く。 と走り書きがしてあった。 ──井上って朝会ったあの美人な客人か………。 何か、あったのだろうか。私は考えながらスーパーで調達した食材を冷蔵庫に入れた。
あとがき。視点がころころ変わるように書いてます。すみません・・・わかりにくくて・・・。ふたりとも、全然覚えてない。初対面という設定で書くのは楽しいです。
ルキアって小説よんだ感じで料理うまそうだし。
ただ、一護が32歳になったらどんな感じか予想がつきません・・・。んで意外と長くなりそうなこのはなし・・・。ラストが早く書きたくてウズウズしてますよ!
あと、設定的に、アレ!?って思われるかもしれませんが、すみません・・・目をつぶってください・・・。申し訳ない。