その和室の中には、小さなちゃぶ台がこじんまりと置かれていた。

そこにこの商店の店長は腰掛ける。

 

「かる〜く15年ぶりくらいになりますっかねぇ?」

 

「・・・おれはしらねぇ・・・。」

 

「相変わらず意地っ張りですねぇ黒崎さんは」

 

「あんた俺の何を知ってんだ?見たところ同じくらいの歳じゃねぇーか」

 

「おやおや。本当にわすれてしまったんですね。喜助、悲しい。」

 

浦原は着ている和服の袖で涙を拭くまねをした。

 

「ふざけんじゃねぇよ!こっちは真剣に聞いてんだぞ!聞いた話じゃ、勝手に記憶消されたって話じゃねーか!その・・ソウルソサエティってところに・・・・」

 

その言葉を放った瞬間、浦原の目つきが変わるのを感じた。今までは若干ふざけた感じで接していた彼だが、

その表情は、真剣というよりも怒りを感じる気配だった。

 

「・・・勝手に消された。ソウルソサエティにねぇ・・・」

 

「だって、そうなんだろ!?」

一護はいきなり雰囲気の変わった浦原に少し動揺しながら、しかし激しい口調で話す。

 

「何か勘違いしてませんかぁ?あなたの話からいくと、あなたはしょうもなく記憶を操作されたことになる。」

 

「だから・・・。」

 

「聞きましたよねぇ・あなたと朽木さん、恋人だったって。」

 

「・・・あぁ」

 

「あなたは人間で朽木さんは死神だった。あの頃は。だから止められた。この理由は間違っていない。」

 

「だけど・・・!!」

 

「知っていますか?死神は人間を護るための存在。アタシたちはあなた達を護らなきゃいけない。例えどんな人間だろうと、人間には変わりない。

だから平等に・・・。この意味わかりますか?」

 

「あぁ・・・だけど、俺も死神だったんだろ!?だったらおかしいだろ!」

 

「まぁあなたの場合は半分死神というようなものですがね。事故的に与えられた力だ・」

浦原は話しながら立ち上がり、部屋の隅っこに置かれていたスティックを手にとった。

 

「あなたは何もかも他人のせいにしますねぇ。黒崎さん。あなたはおかしいと言った。何故なら自分は死神だったからと・・・。」

スティックは蛍光灯に照らされて、赤い光を放っていた。

 

「おかしいのはあなたじゃないですか?あなたは、事実、朽木さんを護れなかった・・・。」

 

一護はずっと胸の奥に突っかかっていた問題に、急に触れられた気になり額に汗をこぼした。

浦原はゆっくりと話す。

 

「このすべての事件の原因はあなたにあるんですよ。黒崎さん」

 

「俺が、ルキアを護れなかった。それが原因って言うのかよ・・・・!」

一護は、そんな馬鹿な話があってたまるかというように話した。

 

「そうです」

 

浦原は一護の目をますっぐに見て答えた。帽子ごしだが、今度ははっきりとわかる。

この男は真剣だ。

 

「あなたが、弱かったのが悪いんです。黒崎さん。」

その後浦原は、スティックに向かって何かを唱えた。その瞬間、それはただの杖じゃなく、奇妙な形の刀に変わった。

 

「・・・んだよそれ!」

 

「忘れちゃったんですかぁ?アタシの紅姫。あぁ可哀想」

まるで自分の恋人に話しかける口調のように刀に話しかける浦原に、一護は違和感を感じた。

 

「おかしいぜあんた!刀に名前つけてんのか!?しかも、銃刀法違反だ!!」

そう一護が叫んだ瞬間、刀はものすごい勢いで一護の方へ振るわれた。

とっさに避けた一護だったが、となりにあったちゃぶ台が真っ二つになっている。

その様子を見て一護は驚愕した。

 

「・・・な!あんた!俺を殺す気かよ!」

 

「・・・・おんやぁ間違えてちゃぶ台切っちゃったっすねぇ、もったいない」

 

「人の話をきいてんのか!」

 

その瞬間また刀がびゅっと空気を切った。

 

「・・・そうですよ。こんな黒崎さんなら、いなくていいじゃないですか。死神の秘密もばれちゃったし、生かしておけませんねぇ」

 

「おまえら!人間護るのが仕事だろうが!」

 

「・・・こんな時ばっかり頼ろうとする・・・。本当にあなたは子供だ。」

またびゅうっと刀が一護の方に向かう。風圧で少し前髪がチリになる。

一護は逃げ出したが、どうやら出口とは反対の方へむかってしまったようだった。

その店の奥へ奥へと逃げる一護だったが、息を切らして走った先は、どうやら行き止まりだったようだ。

 

そんな時、なにかコレはデジャブに感じると思った。

昔もこんな事をされた気がする。

そして、頭の中で声がする。

 

 

――――――――私を、忘れたのか、一護。

 

 

誰だ?俺はてめぇなんかしらねぇ。

 

――――――――こんなにも、私はお前を護ってきたというのに・・・。

 

だから、知らないんだ!

 

――――――――私だ!

 

また、びゅっと刀が振るわれた時だった。一護も今度は避けきれず、肩にまともにくらってしまった。

おびただしいほどの血が流れる。こんな量の血は、ケンカした時でさえ見た事がない。

 

 

あぁ・・・俺、どうなるんだ?

 

意識が薄れていくなか、また、声の主が、今度ははっきりと語りかける。

 

―――――――ー私を思い出したいか?すべてを思い出したいか?力が欲しいか?こんどこそは誓うか。護りきると。

 

・・・誓う。

 

―――――――もっとだ。

 

・・誓う。俺は、もうなにもなくしたくねぇんだ。

 

―――――――そうか・・・だったら思い出せるはずだ。私の、名前。

 

一護は、意識を失うさなか、眩しい光を見た。

その、眩しい光の中に、一人の男性が立ち尽くしている。

 

・・・あぁ、わかったぜ。久しぶりだな、おっさん。

 

一護は意識を取り戻し、流れる血を抑えながら、叫んだ。

 

 

「わが名は、斬月!!」

 

そう叫んだ瞬間、一護は肉体から抜け出した。抜け出した自分は、黒い和服を着ている。

 

浦原の口元がにやりと笑う。

また攻撃を仕掛けられたが、一護はそれをた易く受け止める。

手には、とても大きな刀が握られている。

浦原の攻撃を受け止めた後で、一護もにやりと笑った。

 

「・・・よう。浦原さん。久しぶりだな」

 

「黒崎さん♪やっと思い出したんですねぇ!喜助感激♪」

 

「気色わりぃ!・・・俺は、ずいぶん長い間忘れてたみてぇだな」

 

「そうみたいっすねぇ。どうですか?久しぶりの死神の姿は?」

 

別に。一護は吐き捨てるように言うと、脱ぎ捨てられた自分の体を見た。

・・ずいぶんと歳食ったみてぇだな。ホント俺は馬鹿かよ。

そうつぶやくと、すぐに体に戻る。

 

「浦原さん、至急。俺の体治して。行きたい所があるから。」

 

一護はそういうと、浦原はニコニコしながら、わかってます。と答えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あとがき。

話が進めたくって進めたくって!一日で書いちゃいました。

誤字脱字おっぱっぴ〜。

喜助さんは基本的に好きです。付き合ったら苦労しそうですけど・・・。

あの艶かしい感じの声がたまらん!

一護が32歳って。どんな状態なんだろう・・。自分で書いていて謎。きっとダンディなお医者さまだ。うん。

さてさて、次回一護が至急逢いたい相手とは!

だれでしょうか!

 

答えはまた来週!

 

・・書けるといいな・・・。

 

ここまで読んで下さり、ありがとうございます。

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