食卓には、豪勢なものがならんでいる。ハンバーグに、サラダにポテト。

ルキアとユズは楽しそうにお喋りをしている。どうも、部屋にある、

ぬいぐるみがどうのこうのという内容らしい。

ご飯を食べていると、カリンがちらりちらりと、こちらを見ている。

 

「なんだよ。なんか言いたい事あんのか?」

一護が問いかける。

 

「・・・いや、なんでもないけど・・。」

 

でも、明らかに様子がおかしい。と一護は思った。

 

食事が終わったあと、ルキアとユズは仲良く片付けをしていた。

ソファに座っているカリンに、一護は再び問う。

 

「なぁ、なんかあったんだろ?」

 

カリンは溜息を吐く。「・・・わかった。一兄も鈍感じゃなかったんだね。ここじゃなんだから、出ようか」

 

一護は無言でうなずくと、ユズとルキアに、コンビニに行って来るといい、家を出た。

 

 

「で?」

 

一護は、家をでてから3分後、切り出した。夜とはいえ、夏なので気温が高くむしむしする。

蝉もまだけたたましく鳴いている。

 

「・・・・。一兄、信じてくれる?」

 

「・・・わかんねぇけど。」

 

でも、いつも冷静なカリンがここまで深刻な表情をしているので、大変な事だと予想はついた。

 

「ルキアちゃん。どうして、今人間なの!?」

 

「・・は!?」

 

「一兄は死神で、ルキアちゃんも死神で、それで、みんなであの家に住んでたよね?

一兄が高校生のとき。あたしはまだ小学生で、でも、楽しかった。」

 

「・・・・俺は、しらねぇ・・・。」

 

「ルキアちゃんは、いつも一兄の事を励ましてくれて、渇いれてくれて、まるで家族みたいに暮らしてた。

いつもお母さんの墓参りに、暗い顔してた一兄が、ちゃんと笑顔でお母さんの顔向けできるようになったの、

ルキアちゃんのおかげだよ。ねぇ、一兄!覚えてないの!?」

 

一護は驚いた。いつもは冷静なカリンが熱く話している。

 

「・・・・忘れちゃったの!?どうして!?あんなに大切だったんじゃないの!?

あんなに必死で助けにいったじゃん!」

 

「俺は、覚えてねぇんだよ!思い出したくても、わかんねぇんだよ!」

 

「・・・・・一兄、なんで・・・。あんなに、大切にしていた恋人なのに・・・。」

カリンが長い髪をたらして懇願するように言う。

その言葉に、一護は足が止まった。

 

 

コイビト・・・・?

 

 

「おい・・・。今なんて・・・。」

 

「一兄とルキアちゃん。恋人だったでしょ。いつも一緒にいたし、ケンカもしてたし」

 

自分とルキアは、恋人同士だった。そんな、真実を突きつけられた。というような気分だ。

 

どんなふうに?どんな会話をしていたんだ?俺たちは。

今の俺は、昔恋人同士だったから、惹かれているのか・・・?

いや・・・わからない。

頭の中がもやもやする。

 

そして、先ほどから、聞こえるこの声。

 

 

一護は、急に知りたくなった。過去のこと。石田に言われた時はまだ信じがたかったが、

あのカリンがここまで真剣に言っているのだ。

そして、過去に一体なにがあったのか。自分とルキアの間に―――――

 

「カリン!わりぃ!俺、ちょっと寄るところあるから、先に家帰ってろ」

 

「ちょっ一兄!」

 

「心配すんな!明け方にはもどる!あと、ありがとな。」

 

一護はそう言うと、その足で、石田の病院へ向かった。

石田総合病院は夜にもかかわらず、気味の悪い雰囲気はなかった。

洗礼されている病院は、綺麗な光を放っていた。

一護は受付で石田を呼び出した。

石田は来るなり不機嫌な様子だった。聞いた話ではオペが続いていたらしい。

 

「・・・黒崎じゃないか。直接くるなんて、何かようかい?」

 

石田は右手にコーヒーを持ち、受付のソファに腰掛ける。

 

「俺の妹も、同じ事を言っていた。お前らと同じ事を。」

 

石田の目つきが変わる。しかしその後溜息を吐いた。

 

「・・・そうか。だから、気になったのか?僕たちの話は信じてなかったくせに・・・」

 

「んなこといいだろ。だからじゃねぇけど。気になんだ」

 

「・・・」

 

「今更だけどな・」

 

「・・・いいだろう。こんなときの為に、ある人物と連絡をとっていたんだ。その人と会うかい?」

 

「ある人って・・?」

 

「君が死神だったときに、とてもお世話になった人さ。会うのが怖いのかい?」

 

「んなわけねぇだろ!うちの妹泣かせたんだ。」

 

「相変わらずだな。これ、住所だから。行ってくるんだな」

 

「言われなくても行くっつーの!サンキュな。」

 

「って今から行くのか!?」

 

「おう!!」

一護は勢い良く走りだした。

石田からもらった紙には、浦原商店 と書いてあった。

 

 

 

 

 

「お兄ちゃん。遅いね〜せっかく妹が来てるって言うのに!」

黒崎家に残されたユズがしかめっ面でリビングに腰かけている。

 

「きっと友達とのみにでもいってんじゃないの?一兄ももう32だよ。しかたないじゃん」

隣にいるカリンは冷静に答える。

 

「でも、お家にルキアちゃん一人にするなんて!かわいそうじゃない・」

 

「ルキアちゃんももう高校生だって!」

 

「でもぉ!可愛いんだから心配だよ!」

 

「あ・・・私は大丈夫ですから。もう遅いですし・・・。」

そばで二人のやり取りを見ていたルキアは、困りながらも口を開いた。

 

「そーぉう?ん〜そんなに言うなら帰る・・・。」

ユズは渋々答えた。カリンはほっとした顔で帰り私宅を始めた。

 

「じゃあね!また来るからね!」

ユズは満面の笑みで黒崎家を後にした。

 

 

ルキアは一人残された家でテレビをつけた。

画面の中では、いろんな色が瞬間的にチカチカしている。

その色を紫色の瞳でとらえながら、ルキアは寂しいと感じていた。

孤児院にいたときも、こんな気持ちにあまりならなかったのに。

今は帰る家もある。友達もいる。なのに。

たった一人の人と逢えないだけで、さみしい。

ルキアはそっとテレビのチャンネルを変えたが、特におもしろそうな番組がないので、

眠る事にした。

 

 

 

 

浦原商店に着いた一護は、木枠についているガラス窓を盛大に叩いた。

 

「浦原さん!え〜〜と、浦原喜助さん!」

 

がんがんと窓を叩いていると、中からとてもガタイのいい男が出てきた。

後ろ髪は三つ編みにしていて、浦原商店と書いてあるエプロンをしている。

 

「なんですか?今日はもう閉店いたしましたが・・・。」

その男は、一護の事をひと目みるなり、落ち着いた面持ちになった。

 

「・・・黒崎殿。お久しぶりでございます。今、店長を呼んで参ります・・・。」

 

どうやらこの男も自分の過去を知っているようだと一護は思った。

しばらく待っていると、下駄を履いて、緑色の帽子をかぶった男が出てきた。

 

「おんやぁ〜〜黒崎さんじゃないっすかぁ!」

 

男は満面の笑みでこちらを向いた。しかし、帽子で目が見えないので定かではない。

 

「・・・こんばんは。黒崎一護です。」

 

「うんうん。名乗るなんてずいぶん成長したじゃないっすかぁ!まぁ昔は若かったっすからねぇ・・・ていうか今いくつですか?」

 

「・・・32歳だけど。」

 

「そっすかぁ〜〜ホントに普通の人間みたいに生きてるんスねぇ・・・。」

 

「だから、その理由を聞きに来たんだ」

 

「ふんふん。長い話になりそうだから、お茶でもいかがっすか??」

 

「だな。邪魔するぜ」

 

一護は、電気のつけられた浦原商店の奥へと足を踏み入れた。

 

 

 

 

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あとがき!・・・のようなモノ。

うわぁぁぁ!すみません!!自分のつたない文才が・・・申し訳ないです。

しかもけっこう長くて自分でびっくりだぜ!喜助さん出すヨテイなかったのに(笑)

あと2〜3話で終わると思いますので、もうしばらくお付き合いくださいませ。